自作の詩を持って
2016-07-21


≪Вот вдруг я сижу одна, т.е. нет, я тогда уж лежала, вдруг я лежу одна, Михаил Иванович и приходит и, представьте, приносит свои стишки, самые коротенькие, на мою больную ногу, т.е. описал в стихах мою больную ногу. Постайте, как это:

Эта ножка, эта ножка
Разболелася немножко... -

или как там, - вот никак не могу стихов запомнить, - у меня тут лежат, - ну я вам потом покажу, только прелесть, прелесть, и. знаете, не об одной только ножке, а и нравоучительное, с прелестною идеей только я её забыла, одним словом, прямо в ольбом.≫

<試訳> 「ところがふと私が一人で座っていましたら、ということは、いえね、もうその時は床に就いていたのですから、ふと一人で床に就いていましたらですわね、意外にも自作の小詩を持ってラキーチンがやって来ましてね、私の病んだ足に関したとても短いもの、つまり、私の病んだ足を詩にしたものですのよ。お待ちになって、こんな詩ですわ。

このおみ足か、このおみ足か
少しばかり痛ましか・・・

まあそんなところだわ、どうしても詩は覚えられないの、そこにあるんですけど、いいわ後でお見せしますわね、とにかく素敵、素敵だわ。そうでしょう、単に足の事だけじゃなくて美しい思想を伴った教訓まで含んでおりますけど、忘れてしまいましたわ。要するに、そのままアルバムに入れたいほどなの」

・ 夫人はラキーチンの詩をほめちぎっています。青年にいたわられて嬉しい気持も分かりますが、つい先ほど彼の粗野なところをあげつらっていたばかりなので奇妙です。
詩の中で「足:нога」の指小形 「ножка」と「少しばかり:немножка」をうまく対応させて韻を踏んでいます。ロシア詩は読み上げた時に音韻がとても美しく響きます。訳で表現するのは難しいのですが、少しでも原文の音の雰囲気が出るように工夫してみました。原文の発音をカタカナに書いてみます。

 エタ ノシュカ  エタ ノシュカ
 ラズバレールシャ  ニェムノシュカ・・・
[ロシア文学]

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