剽窃だぞ!
2011-07-10


≪Алёша встал, подошёл к нему, и молча, тихо поцеловал его в губы.
- Литературное воровство! - вскричал Иван, переходя вдруг в какой-то восторг, - это ты украл из моей поэмы! Спасибо однако. Вставай, Алёша, идём, пора и мне и тебе.≫

<試訳> アリョーシャは立ち上がりイワンに近づくと、黙ったままそっと彼の唇に口づけをした。
「剽窃だぞ!」突然何か狂喜し出したようにイワンが叫んだ。「今の口づけは、僕の詩劇から盗み出したな、お前は!だが、ありがとう。さあ立てよアリョーシャ、僕にもお前にも時間がきた、行こうじゃないか」

・ キリストが大審問官に無言で口づけする印象的な場面がアリョーシャとイワンの間で再現されます。イワンは剽窃と言いますが、神を畏れず“全ては許される”とまで不遜にも言い切る彼の思想的苦悩に、もはや言葉もないアリョーシャの万感の想いを込めた気持の表現ではないでしょうか。アリョーシャが意図したものではなく咄嗟の衝動に思われます。イワンが素直に感謝するところに救われます。
[ロシア文学]

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