受難者の問いかけ
2011-01-06


≪- Да, Lise, вот давеча ваш вопрос: нет ли в нас презрения к тому несчастному, что мы так душу его анатомируем, - это вопрос мученический... видите, я никак не умею это выразить, но у кого такие вопросы являются, тот сам способен страдать. Сидя в креслах, вы уж и теперь должны были много передумать...≫

<試訳> 「リーズ、あなたはさっき質問されましたね、私達があの人の心を分析することは、あの不運な方を見下しているのではないかと。これは受難者の問いかけなんです・・・ うまく言い表せませんが、そのような問いを発する人は自身も苦悩に耐える方です。肘掛椅子に座りながらあなたはもうすでに多くの事を考え抜かれたに違いありません」

・ アリョーシャがリーズの資質を讃えていますが、そこに彼の価値観が表れています。物語の最初の部分を読むと彼は同年代の仲間とはかなり違って、争いを好まず他を非難もせず裁きもしない少年でした。友人の間では純粋過ぎるが故に“変わっている”と見られる存在だったと思います。やがて聖職の道を志向したのも理解できますし、今もその気質が随所に表れています。修道院を去り世間で過ごす事になる彼にとって互いに敬愛し理解し合えるリーズは最も相応しいのでしょう。
[ロシア文学]

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