明日はきっと受け取ります
2010-12-21


≪Так вы не отдали денег, так вы так и дали ему убежать! Боже мой, да вы хоть бы побежали за ним сами и догнали его...
- Нет, Lise, этак лучше, что я не побежал, - сказал Алёша, встал со стула и озабоченно прошелся по комнате.
- Как лучше, чем лучше? Теперь они без хлеба и погибнут!
- Не погибнут, потому что эти двести рубрей их всё-таки не минуют. Он всё равно возьмёт их завтра. Завтра-то уж наверно возьмёт, - проговорил Алёша, шагая в раздумьи.≫  

<試訳> 「それでお金を渡せずに、あの人をそのように走り去らせてしまったのですね! まあ、あなたがもし追いかけてらっしゃれば追いついて・・・」
「いや、リーズ、僕が追いかけなかったのはかえって良かったんですよ」アリョーシャは椅子から立ち上がり、不安気に部屋を歩きながら言った。
「何が、どのように良かったんですの。それじゃあの人達、パンも無いんですもの、死ぬじゃありませんか!」
「死にはしません、だってこの二百ルーブリはどうあってもあの人達を素通りはしないんです。どのみちあの人は明日それを受け取るんです。明日こそはきっと受け取るんです」考えに沈んで歩みながらアリョーシャは言った。

・ リーズを相手に話しながらアリョーシャは自分の行動や大尉の心の動きを振り返って深く考え始めます。「明日はきっと受け取ってくれる」と自分に言い聞かせるように断言します。自分を無にして他のために真剣に心を尽くす姿に、作者の、人間の善意への強い希求を感じます。それがこのように時や国を越えて伝わるのも文学の力です。
[ロシア文学]

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