ずっと前から泣き出したかった
2010-07-02


アリョーシャがドミートリィの悪ふざけを憤る

≪... Да что с тобой?
- Ничего, брат... я так с испугу. Ах Дмитрий! Давеча эта кровь отца (Алёша заплакал, ему давно хотелось заплакать, а теперь у него вдруг как бы что-то порвалось в душе). - Ты чуть не убил его... проклял его... и вот теперь... здесь... сейчас... ты шутки... кошелёк или жизнь!≫

<試訳>「・・・ところでどうしたんだお前」
「何でもないです、兄さん・・・とても驚いたもんだから。ああ、ドミートリィ兄さんったら!さっきはと言えば、お父さんの血を流させたばかり」(アリョーシャは泣き出した、彼はずっと前から泣き出したかったのだが、今、突然心中の糸が切れたかのようだった) 「お父さんを危うく殺すとこだったんですよ・・・ お父さんを罵って・・・ そしてほら今度は・・・ ここで・・・ 今・・・ 悪ふざけを・・・ 命が惜しけりゃ金を出せなんて!」

ドミートリィに驚かされて、それでなくても精神的に参っていたアリョーシャは感情を抑えきれず憤慨の涙を流し、情けない気持ちを珍しく兄に吐露します。でも、純朴な兄に出会ってほっとした面も感じます。彼のせつなさが伝わってきます。人通りのない暗闇の辻で兄弟が出会う情景はモノクロ映画がふさわしいと思います。
[ロシア文学]

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