予感していましたわ
2010-06-01


カテリーナがアリョーシャの来訪を喜ぶ

≪- Я потому так ждала вас, что от вас от одного могу теперь узнать всю правду, - ни от кого больше!
- Я пришёл... - пробормотал Алёша, путаясь, - я... он послал меня...
- А, он послал вас, ну так я и предчувствовала. Тепепь всё знаю, всё! воскликнула Екатерина Ивановна с засверкавшими вдруг глазами.≫

<試訳>「私はあなたをとても待っていましたのよ、真実を全部知ることができるのは、今は唯一人あなたからだけですから、他には誰もいないんですもの」
「僕、やって来たんです・・・」とアリョーシャは言い淀むようにつぶやいた。「僕は・・・兄が僕をよこしたんです・・・」
「そう、彼があなたをよこしたのね、そう、私そんな予感もしてたのよ。今、すべて分かったわ、すべてよ!」 エカテリーナ・イワーノブナは急に、眼を輝かせて叫んだ。

アリョーシャは解決の糸口への期待も秘めてカテリーナの家を訪れます。彼女が現れるとその優雅な物腰に、彼は以前受けた高慢で無遠慮な彼女の印象は誤解だったのではと思うのです。作者は広間の豪華な調度品を詳しく描写し、テーブル上の飲みかけのカップや菓子皿などで他の来客とかちあっていて、何か事が起りそうなことを暗示しています。場面の突然の切り替えではなく、このようにストーリィをつないでいく手法が、読み手を流れに乗せて運び続けるのではないでしょうか。
[ロシア文学]

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