赦すアリョーシャ
2009-12-19


作者はカラマーゾフ家の人々について生い立ちや性格を詳しく描写している。三男アリョーシャの心情が記される。

≪Он не хочет быть судьей людей, что он не захочет взять на себя осуждения и ни за что не осудит. Казалось даже, что он все допускал, ни мало не осуждая, хотя часто очень горько грустя. ≫

<試訳> 彼は人々の裁判官になりたくなかった。咎めることも好まず決して非難しなかった。しょっちゅうひどく辛い悲しみを味わいながらも、ほんの少しも非難せずにすべてを赦しているようにさえ思われた。

 「白痴」のムイシュキン公爵の形象を思い起こさせるアリョーシャのナイーヴな心情が、この前後に多くの事例で記述されています。
 この後、多くの苦悩の場面に立ち会って登場人物と物語をつなぐ役割を静かに演じる彼ですが、その奥にこの赦しがあるように思います。
[ロシア文学]

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