コメント(全2件)
1〓2件を表示
j潤 ― 2025-02-07 08:15
この様な会話を続けるのはなぜなのか、奇妙なことと思っていましたが、作者にとって必要な事だった。しかし、まだまだ子供と言っていいソーニャに、教育もあり思想も少し固まりつつあるラスコーリニコフにこれほどまでに言わせるのは?この小説を読んだ当時の読者はどんな思いだったことでしょうね。サラッと読み進めたのでしょう。現代も様々な読み物があり深刻な内容としても深刻なものとして受け止められませんから。
mir→潤さん ― 2025-02-08 16:50
まだ大人とは言えないソーニャに大罪を犯した確信犯のラスコーリニコフが対峙しているのですが、彼女の心の清廉さとあつい信仰、苦難を一身に背負って耐えている芯の強さで、むしろ彼を凌いでいるように感じます。
作者の大きなテーマが信仰の問題です。ソーニャの苦難が執拗に描かれ、果たして神は救ってくれるのか、二人のやり取りを通して問いが提示されています。信仰を持つ多くの読者は自分の問題として読み、重く受け止めたのではないでしょうか。
作者の手法からすると、この畳みかけるような場面は必ず伏線となって重要な意味を持つはずです。雑誌の連載でしたから、その展開と帰結を毎号心待ちにしていた当時の読者の気持を想像します。現在の日本にこれほど深い人間洞察の小説の連載はあるのでしょうか。
セ記事を書く